2022/04/04
4月に入り新茶の季節となってまいりました。
新茶は、秋整枝(園相の高さを揃える)後、茶樹が冬の寒さと養分を蓄えられように秋肥料を撒き、樹勢を強くします。そして、春になり、萌黄色の柔らかい新芽が芽吹きます。新芽は「一芯4~5葉」になる頃に摘みます。
【新茶の特徴】
新茶は初夏の気候に順じた爽やかな萌黄色の葉色と瑞々しい艶が特徴です。特に新緑の香りが引き立ち、鮮度の良さが新茶らしさです。新茶の独特の香りは摘みたてが一番!!「茶畑から直送」最高の贅沢です。
新茶そのものの初々しい香りを活かすため、香りや味に影響を与える工程を浅炒りで火入れを弱く仕上げて加工しております。通常のお茶と違い、旬の香りは1~2ヶ月で薄れていきます。賞味期限内でもだんだん香りや味が変化していくため、できるだけ早く飲んでいただくことをお勧めします。
【通常のお茶の特徴】
保存のきく荒茶(あらちゃ)状態で適切な温度で保管します。年間を通じておいしく飲んでいただけるように季節に応じて仕上げ加工を少しずつ違えています。初秋から晩春においては、ほっこりした味わいが出るように火入れという加工温度を強めにしています。これが新茶との大きな違いになります。
また、茶店では一番茶を冷凍保存でひと夏寝かせて、熟成したころに販売する流れで、安定したおいしいお茶が一年中店頭に並ぶのです。
2022/02/04
まだまだ寒い日が続いていますが、暦の上では今日から「春」。
日本茶の世界では、この日はとても意味のある日で、立春から数えて八十八夜目(例年5月2日頃)が新茶を摘み始めるのに最もふさわしい日とされています。
八十八夜に摘まれる新茶。”八十八”は末広がりの「八」が二つあることから、縁起が良いとされ、古くから新茶を飲むと一年を災いなく過ごせると言われています。
緑茶も含め、農作物は主に農作業と照らし合わせた季節の目安となっており、つくられた背景には「農家が季節の移り変わりを正確に理解できれば、農作物に大きな損害を出さずにすむ」という自然と農業との深い関係があります。
前年の10月に茶園の剪定をして葉・根共に冬眠に入りますが、休眠前(地温が低くなるまでに)養分を吸収しやすく施肥を行います。(寒暖差の大きい山間地では茶樹の根本や畦に藁を敷いて越冬します。)
年が明け、立春のころから3月末頃まで2~3回ほど施肥を行います。茶園の樹勢が寒暖の変化や寒風で不揃いにならない頃を見計り、茶樹の高さを均一にする春整枝(ハルセイシ)を行い、加えて 病害虫の発生を極力抑えるため、茶園防除を必要最小限、安全基準を遵守した薬剤散布を行い茶樹を保護します。
そして、新芽が芽吹く頃にみずみずしいお茶の芽葉になるよう芽出し肥料を施肥し、新茶の摘採を迎えます。
冬の寒い時期にゆっくりと養分を蓄え、新芽が芽吹いた葉から作った新茶には、その後に摘まれる二番茶、三番茶よりも栄養価やうま味成分が多く含まれています。
今年もおいしい新茶が届くよう全国の茶農家の方たちにお願いしております。
新茶が飲める日を心待ちにしていきたいと思います。
2021/11/09
先日茶殻の和え物がおいしかったと家族より好評だったことをよくしたのか娘が「お茶を煎れた後の茶殻をそのまま捨てるより、できる限り有効活用するほうがお茶のためになるしゴミが減ればその分 地球環境にいいから」と茶殻の再利用にはりきっています。
今回は乾燥させた茶殻を使って おにぎりと混ぜご飯でいただきました。おにぎりは塩で味付けして茶殻のみを混ぜてあり、あっさりしながらもお茶の爽やかな風味が口の中に広がります。 このおにぎりと熱いお茶を持って、秋の散策へ行きたくなりました。
茶殻とみじんきりしたたくわんで作った混ぜご飯は黄色の甘辛いたくわんと深緑であっさりとした茶殻が白く甘みのあるご飯とよく絡み、これだけで食がすすみます。
今度はたくわんの代わりに「シバ漬けおじゃこ」でトライするそうです。
茶殻といってもまだまだ栄養成分が残っている茶葉なので、食べることで栄養分をそのまま頂いましょう!
食べる茶殻の場合、柔らかい茶葉(玉露・深蒸し煎茶)をお勧めですが、荒茶や番茶は硬くて茎が多く含まれており茶殻を食べるよりお茶の特性である消臭効果を利用します。
やり方は充分に乾燥させた茶殻をテッシュに包み下駄箱に入れておくと茶殻が臭いとってくれます。
我が家では テッシュに包んだ乾燥茶殻を2~3包入れたのですが、開けた時の瞬間に感じるいやな臭いがずいぶん
和らぎました。効果はだいたい2週間くらいでしょうか・・・
お茶を煎れた茶葉が捨てられず、つぎに活用されてゆくのを見るとお茶に携わっている私などはうれしく頑張れる
気力を茶殻からもらったような気がしました。
乾燥茶殻
①水気を切った茶殻を電子レンジで乾燥させます。(500W~600W)で3分~4分加熱後、一度乾燥具合を見ながら再度1~2分加熱します。
②おにぎりに使う場合は若干の湿り気を、 消臭に使う場合はよく乾燥させてください。
くれぐれも火傷や必要以上の加熱にはご注意ください。
2021/09/01
先日、娘が茶殻で和え物を作ってくれました。
お茶を煎れた後の茶殻には、お茶の栄養が半分以上残っています。特に水(お湯)に溶けだしにくい β-カロテンやミネラル、食物繊維などは食べることでその栄養を摂ることができます。
お茶を煎れた後の茶葉にポン酢や白だし、梅昆布茶などで味付けし、今回は釜揚げシラスのうえにのせていただきました。
いや~冷えたビールのあてにぴったり!
しらすの旨味と茶殻の苦み、ほのかな梅昆布茶の風味が口に広がり、つい二杯目のビールに手がのびてしまいます。
(娘は辛口の冷酒がおすすめだそうです。)
お茶殻は食べる以外にもいろいろ活用できます。
私の子供の頃は母が茶殻を部屋に撒き、畳の目にそってほうきで掃いて掃除していました。
茶殻の吸着力で畳の奥にある塵埃を付着させ、おまけに消臭効果がありますので臭いもとってくれます。
そういえばガラスの破片を掃除するには新聞紙を濡らして細かくちぎり掃き痩せれば安全だとか、生活の知恵ですね。 今の時代は掃除機が全てです。ロボットの掃除機なん~て便利すぎます・・・
今回ご紹介させていただいた和え物のほかに茶殻を使った料理を娘は考えてるようです。
私も茶殻の再利用法を考えて楽しく実践していき、改めてご紹介できればと思っております。