2022/06/12
6月初旬に弊店のスタッフが兵庫県の丹波篠山市で開催された「大国寺と丹波茶まつり」に行ってきました。
丹波は現在の京都府中部・兵庫県北東部・大阪府の一部に当たり、栗や黒大豆、あずきなど有名ですが丹波篠山地域でとれるお茶「丹波茶」は1200年前の文献にすでに記録があり、江戸時代の上方(大坂)でのお茶消費の半分を占めていました。
イベントでは丹波茶(新茶)の試飲、販売、おいしいお茶の淹れ方講座などお茶に関する催しはもちろん、ブラスバンドやお琴の演奏などあり、とても盛況だったようです。
催しの一つ「お茶摘み&手揉み」をスタッフが体験をさせていただきました。
摘んだ茶葉は熱を加え酵素の働きをとめた後、揉みながら水分をとばし乾燥させていきます。おいしい旨味を出すために茶葉の繊維を壊すので、力強く揉まないといけません。
熱々に蒸しあがった茶葉を手で揉む作業はさぞ体力を使い大変だったろうと思ってたのですが、当人はそれよりも自分の摘んだ生茶葉がお茶葉(おちゃっぱ)となっていく工程が見れたことを喜んでいました。
また初夏の爽やかな青空の下、鳥のさえずりを聞きながらのお茶摘みで気持ちのリフレッシュができたようです。
「仕上がった茶葉」は「より」も不十分で形状もそろっていませんでしたが、新茶ならではの初々しい香りに、味は山のお茶特有の甘みと旨味、そして上品な渋みがありました。
丹波篠山は盆地で昼夜の寒暖差が大きく、「丹波霧」と呼ばれる濃霧が強い日差しを遮り、適度な湿り気が覆うことでアミノ酸豊富な柔らかい茶葉が育つので、香り高く上質のお茶が出来上がります。
平安時代は朝廷への献上茶として、また江戸時代は上方でたくさんの方に愛飲された理由の一つがここにあるのかもしれません。
また先日、丹波篠山市に隣接する三田市で母子茶の収穫が始まったと新聞に掲載がありました。
三田市北部の母子地区は六甲山麓にあり、標高500mの傾斜地は昼夜の寒暖差が大きく、濃い霧が発生するで、この地域もまたお茶の栽培には適しています。豊かな香りが母子茶の特徴でもあります。
さて、兵庫のお茶は一番茶収穫の最盛期ですが、鹿児島ではそろそろ二番茶の摘採時期になります。(一番茶採摘後、約50日後に二番茶の摘採を行います。)
一番茶に比べて芽吹きが早く収穫量も多く見込まる二番茶の出荷が始まり市場に出回ると、ひとつの季節が過ぎていったような気がします。
そしていよいよ暑い夏のはじまりです。