2021/09/30
急須の素材は一般的な陶器や磁器、鉄器のほか、ガラス、樹脂などがありますが、今回は愛知県の常滑焼急須のご紹介をさせていただきます。
【朱泥急須】黄土色粘土に含まれた鉄分が酸化焼成して朱色に発色したものです。
【緑泥急須】コバルト成分が多く含んでいる緑かかった土色粘土を、酸化焼成して緑色に発色したものです。
【黒泥急須】朱泥急須をもう一度還元焼成することによって、急須表面の鉄分を黒色に再発色させたものです。
朱泥・緑泥・黒泥急須とも、粒子が非常に細かい粘土ですので低い温度で焼成しています。
土表面が多孔質で表面積が大きい為、お茶に含まれる余分な成分を吸着して、まろやかなお茶になります。
また鉄分を多く含んでいますので体に良いと言われてます。
その他に釉薬かけ急須があり、朱泥の原土を焼成、急須の内部は釉薬をかけず、表面の艶、色合いが楽しめます。
急須で淹れるお茶が一番おいしい!
茶葉を急須に入れてお湯を注ぎ1分間蒸らすことで美味しいお茶が飲めます。
ティーバッグのお茶も急須で淹れるとさらにおいしいですよ。(広い急須の中で茶の葉が広がるのでしっかり味も抽出されます。)
私の場合、一煎目はお湯をゆっくり注ぎ、しっかり注ぎ切って香りを味わいます。
二煎目はサッと湯呑に注ぎます。実は一煎目を注ぎ切っておくことで茶葉が蒸らされて二煎目を渋味なく美味しく頂くためにも大切な裏技です。
お茶には最後の一滴に凝縮された美味しさがあります。
なによりおいしいこの一滴。
お茶のうま味がぎゅ~っと詰まった最後の一滴。
『ゴールデンドロップ』と言われ、絞り切るような気持ちでギュッギュッと注ぎ切ります。
二煎目を美味しく飲む為に…
ゴールデンドロップを注ぎ終わったら、急須のオシリをポンッ!網の周りについた茶葉を底へ移動。更にフタを少しずらしておくと、急須の中で茶葉が蒸れず二煎目もおいしいですよ。
急須で淹れたお茶をぜひお楽しみください。
2021/09/20
秋の長雨、ひと雨ごとに秋を感じてまいります。
深まりゆく秋とともにお茶の美味しい季節になってまいりました。
今回は秋のお茶についてご紹介させていただきます。
「秋限定蔵出し熟成茶」その年の新茶、4月下旬から5月初旬に摘んだ一番茶を荒茶の状態で低温保存し、じっくり熟成させることでコクと滋味が増します。
現代は冷凍保存ができますが、昔は大きな茶壷に入れ、密封して冷暗蔵に貯蔵して秋に蔵出し茶として価値ある味を楽しんだそうです。
秋茶の特長としては、新茶の香り・青苦味など初々しい若葉の風味から ひと夏寝かせて角が取れた味。春の新茶を熟成させた「蔵出し秋茶」は味の違いを感じさせてくれます。
日本最古の茶書・喫茶養生記の「茶は養生の仙薬なり。延齢の妙術なり」の言葉通り、栄養価の高い日本茶はこれからの季節、風邪予防や免疫力を高める効果が期待できます。
因みに、10月に刈り取る秋摘み4番茶は夏の日差しを受けて育った茶葉で渋味と酸味のさっぱり感があります。
熱湯で淹れるとカテキンが多く抽出されます。
秋摘み4番茶は主に専門店で秋冬番茶として販売されております。
明日は中秋の名月。
芋名月とも言われています。
秋のお茶のおやつにさつまいもでお団子風のスイートポテトを娘が作ってくれました。(写真2枚目はスイートポテトの抹茶がけです。こちらも美味しかったです。)
秋の夜長をゆっくりと、お茶を淹れながら季節の味をお楽しみください。