立春と緑茶の関係

2022/02/04

まだまだ寒い日が続いていますが、暦の上では今日から「春」。

日本茶の世界では、この日はとても意味のある日で、立春から数えて八十八夜目(例年5月2日頃)が新茶を摘み始めるのに最もふさわしい日とされています。

八十八夜に摘まれる新茶。”八十八”は末広がりの「八」が二つあることから、縁起が良いとされ、古くから新茶を飲むと一年を災いなく過ごせると言われています。

緑茶も含め、農作物は主に農作業と照らし合わせた季節の目安となっており、つくられた背景には「農家が季節の移り変わりを正確に理解できれば、農作物に大きな損害を出さずにすむ」という自然と農業との深い関係があります。

前年の10月に茶園の剪定をして葉・根共に冬眠に入りますが、休眠前(地温が低くなるまでに)養分を吸収しやすく施肥を行います。(寒暖差の大きい山間地では茶樹の根本や畦に藁を敷いて越冬します。)

年が明け、立春のころから3月末頃まで2~3回ほど施肥を行います。茶園の樹勢が寒暖の変化や寒風で不揃いにならない頃を見計り、茶樹の高さを均一にする春整枝(ハルセイシ)を行い、加えて 病害虫の発生を極力抑えるため、茶園防除を必要最小限、安全基準を遵守した薬剤散布を行い茶樹を保護します。

秋冬の茶園風景

そして、新芽が芽吹く頃にみずみずしいお茶の芽葉になるよう芽出し肥料を施肥し、新茶の摘採を迎えます。

冬の寒い時期にゆっくりと養分を蓄え、新芽が芽吹いた葉から作った新茶には、その後に摘まれる二番茶、三番茶よりも栄養価やうま味成分が多く含まれています。

今年もおいしい新茶が届くよう全国の茶農家の方たちにお願いしております。

新茶が飲める日を心待ちにしていきたいと思います。