2022/07/18
ここ数年水出し茶が脚光を浴びるようになりました。ひと昔は茶葉を水で出すのは邪道、ご法度と言う観念でしたが、ペットボトルのお茶が一般化されてきた現在、冷茶で飲む「のど越の良さ」や「清涼感」が身近に感じられるようになりました。
夏の冷たいお茶と言えば麦茶が主流でしたが、今ではハーブ茶・フルーツ茶・ウーロン茶など多種多様なお茶が飲めるようになり、緑茶にも夏にあったおいしさが求められるようになりました。そのため茶葉の製造に工夫を加え冷水でもお茶が抽出できるようになり、また水で淹れることによって渋味(タンニン)、苦味(カフェイン)が抑えられ、代わりに旨味(テアニン*アミノ酸の一種)が多く抽出されることで、まろやかでさわやかなお茶が淹れられるようになりました。
『氷出し玉露』
もともと旨味成分の多い玉露。氷から溶けでた雫がゆっくりと茶葉に広がり、時間をかけて滋味が抽出されていきます。透明感のあるすっきりした味わいの中にも、玉露特有の上品な甘さを楽しめます。
淹れ方は茶葉を5㌘ほど(約大匙1杯半)急須に入れ、茶葉を覆うように氷を3個~4個程入れます。50ccほど水をゆっくりと注ぎ、そのまま氷が溶けるのを待ちます。(この間5分~6分程度)
氷が半分ぐらい溶けたら湯呑2個に交互に注ぎ最後の1滴まで注ぎます。(50cc2杯分位です)
2煎目:残ってる氷に同じく50cc注いで全部氷が溶ければ2煎目も美味しく召し上がっていただけます。
『水出し煎茶』
暑い夏に爽やかな緑茶を冷たくいただける。 「普通煎茶」は水温が低いと茶葉の成分は溶け出しにくいのですが、「水出し煎茶」は製造過程の「蒸す」を長くすることで、茶葉がやわらかくまた細かくなり、お茶の成分が抽出しやすくなります。
冷水ポットに水と茶葉をいれて冷蔵庫で一晩、一杯の冷たい緑茶が起床時の体の渇きを潤してくれます。日常のお茶としてもおすすめです。
350ccの水に茶葉(深蒸し煎茶)8㌘(ティーバッグでは10㌘入り)をいれます。かき混ぜることは避けて自然抽出まで待つことで渋みがほとんど出ず、飲み口がさっぱりしていて甘みの後に緑茶らしい旨味と香りの余韻が楽しめます。
『水出しほうじ茶』
ほうじ茶は煮出し番茶と言われ、やかん、土瓶などで沸騰したお湯に淹れるのが常套です。水出しの場合、緑茶よりも比較的薄めの味わいとなりますが、雑味のないすっきりとした味を楽しめます。
水出し用に使われるのは主に茎ほうじ茶を使います。(茎の部分の多い茶葉)茎には旨味成分が多く含まれているので、水出しによりさらに深い旨味が味わえます。
1リットルの水にほうじ茶を10㌘入れ、抽出時間は1時間ほどで琥珀色のお茶になっています。長時間置いても(常温になっても)色の劣化が少なく、アウトドアなどでの水分補給にもおすすめです。
もうひとつの水出し茶、秋冬番茶です。このお茶は9月~10月に摘んだお茶です。太陽の恵みをたっぷり受けた茶葉はカテキンやビタミンが豊富で抗酸化作用、抗菌、抗ウイルス作用など様々な健康効果が期待できるからです。また秋冬番茶にはポリサッカライドという多糖類が含まれいて血糖値を下げることが解析されました。ポリサッカライドの効能が関係機関から紹介され、秋冬番茶を多くの方が愛飲されるようになりました。
有効成分(ポリサッカライド)は熱に弱いため水出し抽出が最大限の効果が期待できるようです。
作り方は、やかん又は冷水ポットに水1リットルあたり秋冬番茶20㌘(玉勺軽く1杯)入れ、一晩冷蔵庫で寝かせて抽出します。黄金色に出来上がったお茶を茶漉しでボトルなどに移し替え、1日かけて飲み切ってください。
便利なティーバッグも用意できました。
冷茶で盛夏を楽しみましょう。